帳票や約款など、小さな文字で情報を伝える書類を読みやすくするために開発されたユニバーサルデザイン（UD）のゴシック体です。UD フォントとして唯一、第三者機関による読みやすさの認証「UCDA 認証」を取得しています。一般社団法人ユニバーサル コミュニケーション デザイン協会（UCDA）、電通、イワタの3 社共同で開発しました。

書体デザインのポイント

つぶれ・かすれ・低解像度などの劣化した環境に強く、大事な情報の誤読を防ぎます。加えて、大きくデザインしすぎないことで可読性も確保し、さまざまなシーンや幅広い年齢に対し読みやすさを維持できます。

※「イワタゴシック体オールド」と「みんなの文字ゴシック」を比較しています

開発時は、読みやすさを客観的に判断するために人間中心設計（HCD）プロセスを採り入れ、ユーザー評価と改善を繰り返し行い、さらに東京電機大学矢口式評価法（IPO テスト／特許取得済の見やすさの指標テスト）によって文字のかすれにくさやつぶれにくさを定量化しながら調整しました。これらのプロセスを踏むことでユーザビリティの高い書体を実現しています。

字面は小さすぎず大きすぎず、判読性を維持しながらより可読性を高めた設計となっています。

本文向けウェイトには、R とR2 の2 種類があります。R は7～10pt くらいで使用した際にも視認性が良好になるよう、英数字の線幅が太くなっています。R2 は10pt 以上で使用する際に仮名や漢字の見た目のバランスがよくなるよう、標準の線幅となっています。

開発の背景

老眼や白内障などの眼病の方にとって、小さな文字列を読む行為は大きなストレスとなります。特に帳票などの複雑な印刷物は、重要事項の読み間違いが問題となっています。また、医薬品の効能書き、食品の成分表などは法的規制のために文章量が多くなる傾向があります。

そのような問題を解決するために読みやすさを追求したフォントが、「みんなの文字」です。老眼や眼病の方に読みやすい文字とは、老若男女誰にとっても読みやすい文字でもあります。どんな人にでもどんな状況でも伝わりやすいデザインを「みんなの文字」が叶えます。